私たちの思い

私たちの思い

日本中の山村集落を、消滅の危機から救うためのモデルを創る。

私たちは今、この難題に果敢にチャレンジしています。「強い農業」も「競争に勝つこと」も、私たちの関心を引くことはありません。私たちはただ、自分たちが生まれ育った大切な故郷を、絶やすことなく次の世代にきちんと引き継ぎたいだけなのです。

国土の7割を占める山村地域が、水源や多様な自然を健全に育んでいるからこそ、豊かな日本人の暮らしがある。誰もが分かっていることですが、消滅に向かう流れはいまだ止まることがありません。

私たちは、解決の糸口を見つけました。それは、都市と山村、生産者と消費者が支え合い、双方にメリットがある小さな成功を作ること。そしてそれがつながり「房」となって、全国の山村を覆いつくすこと。

押井の里が取り組む「源流米ミネアサヒCSAプロジェクト」は、人や地球に優しい新たな消費の流れを創り、山村の暮らしと農の営みの現状を守る、無理のないチャレンジです。私たちと一緒に、楽しく、山村を、日本の国土を守りませんか。

「押井の里」は今

「押井の里」は、愛知県豊田市の山村部、どこにでもある僅か25世帯の集落です。

人口は、1950年代には200人を超えていましたが、2022年4月現在では、78人まで減少。さらに20年後には、50人を割ると推計されています。全国の山村集落がそうであるように、押井の里も、人口減少・高齢化の波にのまれて消滅に向かおうとしているのです。

標高300mから500m、森林と谷間のわずかな農地だけの典型的な山村集落。ここには、縄文土器が出土する宮之前遺跡、浅之久保遺跡、鬼ヶ子遺跡があります。つまり、およそ3000年前から人の営みがこの地で連綿と続けられてきたということです。

森林と、谷間のわずかな農地しか存在しないこの地で、集落の営みが数千年も続いてきたのはなぜなのか。そして、それがこのわずか50年ほどで、消滅の危機に晒されることになってしまったのはなぜなのか。私たちは考えに考えました。

農の営みを諦めた時、集落は消滅に向かう

それは、田畑、森林という土地に根差した、米づくりを中心とした自給的営みが続いてきたからだと。農の営みを諦めたとき集落は消滅に向かい、農の営みが続く限り、そこには人が存在し続ける。あまねく山村集落は、そうして守り継がれてきたのだと。

それは、工業化と高度経済成長がもたらした「すべての価値をお金で測る社会」への変化。効率化、利益の最大化を求めるなら、人々が田舎から都会へ、山地から平野へと向かうのは当然の成り行きであると。

そしてまた、賢明な人々は、持続可能とは言えない今日の社会のありようを改め、3000年の後にも都市と山村が支え合い、それぞれが豊かな暮らしの場として続いていく社会を築き上げるに違いないと。

出穂間近の稲の観察
出穂間近の稲の観察

食と農の営みは、命の営み。だからこそ、価値をお金の量で測る市場原理に任せるべきではない。私たちはそう考えています。3000年続いた「生きるために食べる量だけを自給する農の営み」。ここに、持続可能な山村営農のカギがあるのではないか。

生きるための自給の営みには、損も得もありません。自分たちが毎日食べるお米だから、極限まで化学肥料や農薬を減らした、安全で美味しいお米が作られるのです。そして自給は何より、食べることに不安のない「暮らしの豊かさ」をもたらしてくれます。

日本人1人あたりが年間に食べるお米の量は、1962年の118kg(約2俵)をピークに54kg(約1俵)まで減少しました。それに加えて山村の人口が半減してしまえば、自給米の生産が減少し、放棄される農地が拡大するのは必然です。

源流米ミネアサヒCSAプロジェクト

守るべき農地に合わせて、「自給家族」を増やすことはできないか。自給の喜びや豊かさを求める人々は必ずいるはず。そこに着目したのが、この「源流米ミネアサヒCSAプロジェクト」です。

源流米ミネアサヒCSAプロジェクト概略図
源流米ミネアサヒCSAプロジェクト概略図

CSA(Community Supported Agriculture)は日本では「地域支援型農業」とも呼ばれ、欧米を中心にここ20年ほどで急速に広まっています。生産者と消費者が一つの家族としてお米を自給する。家族が農の恵みもリスクも共有する自給の取組みは、究極のCSAとは言えないでしょうか。

愛知の中山間地域で栽培されるミネアサヒは、「幻のお米」と呼ばれ、ほとんど流通しない自給のためのお米。森林から湧き出る源流の清らかな水、昼夜の温度差から生まれる美味しいお米です。そして、農薬、化学肥料を慣行栽培の2分の1以下に減らした安全な「特別栽培米」として生産します。

このプロジェクトは、課題を抱える地域が一つの家族になることから始まります。それができれば、どこの集落でも、どこの地域でも応用が可能なはずです。そして、日本人が一つの家族になれた時、食糧自給率は向上し、人類が一つの家族になれた時、地球上から飢餓は無くなるでしょう。

「押井の里」の自給家族

ちんちゃん亭体験事業、2018こめっこクラブ。既に「自給家族」に近い参加者も
ちんちゃん亭体験事業、2018こめっこクラブ。既に「自給家族」に近い参加者も

「押井の里」の自給家族は、押井町の自作農家を除き2022年3月現在68世帯。2.4haの遊休農地を守り、107俵(6,420kg)を生産、供給しています。離農する農家の農地面積に見合う自給家族を追加募集することで、農地は確実に保全されています。

3年から10年の長期栽培契約を結んでいただくことで、生産量をあらかじめ確定させられるため、安定的な米作りが可能になります。そして自給家族には、安全で美味しいお米の長期供給が約束されます。

自給家族は、押井の里の自作農家も契約家族も、同じ喜びを享受しリスクを担います。不作の年はお米の供給が減るかもしれませんが、豊作の年はお米の供給が増えるかもしれません。喜びも苦しみも家族として分かち合います。

契約家族には、押井の里の二大イベント「天王祭&サマーフェスタ」(2020、2021年はコロナ禍により中止)、「普賢院もみじまつり」のご案内のほか、農作業の応援要請もします。押井の里は、自給家族の第二の故郷なのです。

まずは「源流米ミネアサヒ」を食べてみてください

源流米ミネアサヒ(10kg)米袋デザイン
源流米ミネアサヒ(10kg)米袋デザイン

「源流米ミネアサヒ」をより多くの方に食べていただくため、年間30kg、1年以上の「お試しコース」を新設して自給家族の体験募集をしています。食と農のあり方や持続可能な社会に関心を持ち、私たちの思いに共感いただけた皆さんには、是非、私たちが丹精込めて育てた「源流米ミネアサヒ」を食べてみていただきたいのです。

詳しくは「自給家族になる」をご覧ください。

「押井の里」が目指すもの

押井の里・ロゴ
押井の里・マスコットキャラクター「オルオル」

「押井の里」は、フクロウと暮らす村。フクロウは、自然度の高い山村の夜の生態ピラミッドの頂点に君臨する鳥。マスコットキャラクターとして採用されたフクロウの「オルオル」が、自給家族となった皆さんに「押井の里」の日々をレポートします。

私たちが目指すのは、農の営みを基軸に置いた、自然豊かな集落の持続化。このプロジェクトを通じて、米作りや田舎暮らしに関心のある若い世代の方たちが、押井の里に足しげく通ってくれるようになれば、この集落を長きに渡って守ることができます。

取り組みの主体となる押井営農組合は、非営利の一般社団法人です。利益が誰かに分配されることはなく、この取り組みが存続されることのみに充てられます。取組みを通じて誰かが損をしたり得をしたりすることはありません。しかし、皆んなが少しだけ幸せになれる、それがこのプロジェクトです。

私たちの思いに共感いただけた方は、ぜひ「自給家族になる」も併せてお読み下さい。

まずはあなたから。次に、あなたの親しいお仲間をお誘いいただいて。山村集落を消滅の危機から救うためのモデルを創る、押井の里のチャレンジ「源流米ミネアサヒCSAプロジェクト」を応援してください。

自給家族方式の全国への広がり

自給家族は、全国の農村集落を消滅の危機から救うプロジェクトです。取り組みが話題を呼び、多くの自治体や集落から問い合わせが相次いでいます。押井の里の近隣において準備を進めている集落も複数あります。

押井の里が培った知見は余すところなく開示、提供し、新たな自給家族の取組みを応援するとともに、自給家族ネットワークを形成し、相互に協力し合う大きなコミュニティを作りたいと考えています。

自給家族に関心を持たれた方、どこかの自給家族に加わりたいとお考えの方がありましたら、ぜひお声がけください。あなたにぴったりの自給家族グループにおつなぎすることができると思います。

フクロウと暮らす村「押井の里」
非営利一般社団法人押井営農組合
代表理事 鈴木辰吉

「自給家族」について

日本中の山村集落を、消滅の危機から救う為のモデルを創る。キーワードは「自給」と「家族」です。食と農のあり方や、持続可能な社会に関心をお持ちの皆さんが、「自給家族」として支え合う仲間に加わっていただくことで、それは実現できます。

まずはあなたから。次に、あなたの親しいお仲間をお誘いいただいて。押井の里のチャレンジ「源流米ミネアサヒCSAプロジェクト」を応援して下さい。

詳細はこちら

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